「人事で採用活動をバリバリやってみたい!」
「総務で波のない、落ち着いた仕事をやってみたい。」
第二新卒の転職希望者の方には、営業職がとてもハードなために人事や総務の仕事へ転職してみたい、と考えているケースは多いでしょう。
ですが大半の人が、第二新卒から転職できるのかを心配にしてると思います。
もちろん第二新卒からでも転職できるので、安心してください。
未経験でも人事や総務に採用される可能性は十分にあります。
ですが仕事内容を正確に把握しておかないと「こんなはずではなかった。やはり自分は営業職のほうが向いていた」と短期間で離職される方も多い、思ったよりも大変な仕事。
この記事では人事や総務の仕事内容から、未経験から採用されるためのコツまでを解説します。
ぜひ今後の転職活動に活かしてみてください。
Contents
未経験の第二新卒でも大丈夫?人事の仕事内容とは
人事に憧れて転職してくる方も多いですが、じつは短期間で離職する転職者が多い仕事なのはご存知でしょうか。
意外かも知れませんが、人事の仕事自体が辛くて辞めてしまうということは日常茶飯事です。
面接官として、いい人材を採用することだけが人事の仕事だと考えているのなら、転職後にかなり後悔するかもしれません。
人事とは会社の負の側面を見なければならない業務でもあります。
問題のある従業員を解雇したり、訴訟にならないように労働基準法を駆使しながら、うまく問題のある社員に退職してもらうために尽くしたりと、決して前向きな仕事ばかりではないからです。
時にはこれまで仲のよかった社員や同僚をも切らなければならない、クールさを求められる仕事なのです。
とてもストレスがかかり、緻密でタフな仕事だということ。
未経験の転職希望者がイメージされている人事業務の中で唯一、前向きな方面なのが採用担当です。
決して表のきれいな仕事ばかりではなく、裏の厳しい仕事までもこなさなければなりません。
想像以上にハードな人事の仕事
人事業務は多岐にわたります。
- 採用業務
- 健康保険の取得手続き
- 社内行事(管理監督者の昇格パーティーの開催など)
- 給与計算
- 賞与計算
- 年末調整業
- 所得税の納付
- 住民税の納付
- 社内研修や外部研修の開催などの人材育成
- 就業規則の改訂
- 安全衛生委員会運営
このような業務がメインの仕事です。
一部は経理課や総務課とも重複する業務も含まれていますが、そこは会社によりけりでしょう。
採用業務はあくまでそのたくさんある仕事の種類の中の一つです。
大企業であれば、各セクションごとに人材配置が行われていますが、中小企業であればこれらすべてを少人数で行う必要が出てきます。
そのため仕事内容としては、かなりハードな内容です。
事務処理能力も求められますし、従業員をなだめすかして上手に使うというスキルも求められるでしょう。
経営者の考え方もつねに変化していくので、そこについていくだけの頭の回転も必要です。
総務の仕事内容とは
総務の仕事は、会社で従業員が働きやすくするために、ほかの部署で処理できないすべての雑務を処理する部署です。
女性が活躍している会社が多いですが、本当に責任の重い仕事はまだまだ男性社員がしっかりと行うという会社が多い印象。
猫が工場の敷地内に住みついていたら、保健所に連絡して引き取りに来てもらったり、従業員が仕事中に倒れたら救急車に乗って家族が到着するまで待ったり、緊急性の高いものから緊急性の低いものまで、業務の範囲はとても広いです。
総務課の仕事でつらいところは、会社を支えている重要な業務なのにも関わらず、あまり評価されないこと。
報告を上げるような仕事ではない、影から支える業務のために、社内に何をしているのかを理解してもらいにくいのです。
民間企業である以上は、利益を生んでいる営業職や製造職のような仕事が高く評価されますが、総務の仕事は100%必要なのにも関わらず、だれにも見えない仕事のために評価基準がありません。
また総務は淡々としているために、大きな成功もなければ大きな失敗もありませんが、誰かがやらなければならない大切な業務。
目立ちたくはないけれど、会社を影から支える仕事に携わりたいという人にはオススメの職種です。
人事の辛い仕事でとくにつらい3つのこと
人事の仕事の辛さは、大きく三つあります。
解雇・退職関連の仕事
人事の辛いところの一つ目は、従業員を解雇しなければならないところ。
時には従業員を解雇したり、依願退職をさせたりしなければなりません。さらに辞めさせる従業員が訴訟を起こしたりしたら、その矢面に立つのは人事部員です。
会社の代表としての権限を持っている分、何かトラブルが起こったときは、とんでもない事態になります。
もしも労働基準法違反を争って裁判にでもなれば、そのストレスたるやとてつもないものになります。
考えてみてください。自分が採用して大切にしていた社員と裁判で争うという事態を。
そんなことと毎日、隣り合わせで仕事をしていかなければなりません。ストレスに強いのは当たり前、パワフルでなくては、務まりません。
給与計算のトラブル
人事の辛いところの二つ目は、給与計算のミスです。
給与計算のミスなんてあり得ない、と思っている方が多いと思いますが、人間がしていることなので1年に1回くらいの頻度でミスが起こります。
従業員と信頼関係を結べている人事部ならば計算ミスでクレームにはなったりしませんが、基本的には完璧で当たり前の仕事なので、給与計算は減点ゲームです。
面白い仕事ではありません。しかも、人事部に配属されてすぐの新人が一番最初に任されるのもこの給与計算というストレスフルで報われない仕事です。
地味な仕事に耐える必要があります。
人事の発言の重み
人事の辛いところの三つ目は、発言の自由がない事です。
たとえば、言葉の上げ足を従業員から取られてはいけません。人事が発言したことは些細な事でも、大事になります。
自由な発言はできません。
気に入らない社員がいるとして、気に入らない社員の悪口を人事が発言していると、その社員の評価がドンドン落ちていきます。
これは私の経験ですが、気に入らない社員の悪口を人事部で言ってしまい、それがきっかけで、その社員の上司と押し問答になったことがあります。
人事部員が社員の悪口を言うと、経営者の耳に入り、悪い評価がついてしまいます。それでその社員の上司と揉めたこともあります。
口は災いの門、という言葉がこれほどしっくりくる仕事もありません。
あなたの全ての言動が社員に見張られている、というくらいの緊張感が必要です。
人事で仕事をしていると、年齢に近い社員とも迂闊に仲良くできません。
人事に贔屓にされている、などという印象を周囲に与えてしまうからです。人事には、言葉の自由がありません。
人事の仕事のやりがいとは?
人事の仕事には、どんなやりがいが隠れているのでしょうか。
激務の中でも、人事の仕事が心から好きという人もいます。
彼らが人事の仕事を続けられるのは、やりがいがあるからにほかなりません。
人の可能性は無限大だ!
人事の仕事のやりがいは、自分自身が前例となり、会社全体を変える力を持っていることです。
人事制度にせよ、給与の決定にせよ、人事の仕事は密接に会社の発展へとつながっています。
また自分が採用した従業員が、バリバリ仕事をがんばってくれている姿には感動を覚えるときもあるでしょう。
そんな瞬間に立ち会えることが、この仕事のやりがいです。
会社と社会に対して「自分がどうしたいのか」「何が正解なのか」このような考えながら仕事をできる人・楽しめる人には、天職であるといえるのではないでしょうか。
逆に受け身になってしまうと、たちまち自分のキャパシティーを超えて、精神的につらい仕事になってしまいます。
相手が「人」である人事の仕事には正解がないため、「自分にとってこれが常識だ」という認識は捨てなければなりません。
「人」の数だけ「常識」の数が存在しますが、それでも労働基準法という厳格な法律の存在を無視できません。
法律を駆使しながら、どうすれば従業員のやる気を引き出せるのか、という答えを出せたとき、人事の仕事の無限の可能性に気付くことでしょう。
「人に対する答えは無限大だ」ということが、この仕事のやりがいです。
総務の仕事のやりがいとは?
総務の仕事についても、知っている人は多いと思いますが、ここはひとつおさらいのつもりで、もう一度振り返りをしておきましょう。
志望するためには、仕事内容をしっかりと理解しているかどうかがとても大切です。
全ての物事を前向きに捉える
総務の仕事のやりがいは、会社の全てについて把握できるようになるということです。
反対に会社のことが全てわかっていなければ、総務の仕事はこなせないでしょう。
経営者よりも会社のことにくわしい総務部長も存在するほどで、隠れた重要な部署・業務なのです。
総務の仕事は、会社の全てを把握して新しい発見を会社に与えること、とも言い換えることができます。
社員は見たいようにしか物事を見ようとしませんが、総務の仕事では、ほかの人がしたがらないことも引き受けしなければならないのです。
総務部の仕事をするためには、ほかの部署のように一つの物事だけに囚われず、会社全体を見渡す広い視野を持ち、解決策を提案していくことが求められます。
広い視野を持ち、何が会社にとって最適なのかを発見し、改善するためのスキルや柔軟性が何よりも大切なのです。
総務の仕事には終わりがありません。
答えのない仕事に自分なりに答えが出せたとき、この仕事でやりがいを感じられるでしょう。
人事・総務の仕事に第二新卒未経験で転職するには?
会社によっては人事と総務が一緒になって仕事をしている会社もあります。
いわゆる総務人事部です。
人事部が独立している会社もあれば総務部が独立している会社もあります。どちらも仕事の適正は同じです。
人事と総務の仕事の適性は、「地味な仕事をどれだけやりぬけるか?」という点につきます。
華やかな採用の仕事ばかりではなく、仕事の99%が地味で「多くの人がやりたくない」「または耐えきれない」と思うような仕事の連続。
そのためアピールすべき点は、営業職からの転職であれば、これまで地味な仕事でも前向きにこなしてきたというアピールが効果的です。
第二新卒者が人事・総務へ転職するときに役立つ自己PRの例
24歳で営業職を2年程度経験した第二新卒者が、人事・総務の仕事に未経験で転職したいという場合です。
自己PR例
私は新卒で入社した会社で、営業職として仕事をしてまいりました。現在所属している支店では20名中5番目の成績を上げています。
この成績は、コミュニケーションスキルを活かして、積極的に新しいお客様を探した結果です。
ですがお客様に対して、他の社員がパソコンでDMを送っている中、あえて手書きでお客様一人一人に合わせた内容のハガキを書いて覚えていただき、ファンを掴むことで上位の成績を納めることができるようになりました。
私がアピールしたいことは2点あります。
1つめが持ち前のコミュニケーション能力を活かして、業務をこなして成果を上げる自信があること。もちろん大変な仕事をするメンタルもあります。
2つめが人がやりたがらないような泥臭い方法を敢えてとることができる、地味な作業に忍耐できる力があることです。
この強みを活かして、人事(総務)の仕事へ転職したいと考えております。
上記のようなアピールであればコミュニケーション能力もアピールできる上、地味な仕事への耐性があることもアピールできます。
具体的に適性をアピールすることで、未経験でもしっかりと内定を勝ち取りましょう。
第二新卒が人事・総務に転職するなら転職エージェントを活用しよう
人事・総務の仕事は、募集人数が1人から2人まであることが多く、他の職種に比べてとても採用人数が少ないです。
転職サイトに人事・総務の求人を掲載すれば、わずか1人の採用枠に対して、100名近い応募があります。
人気職種なので、倍率は中小企業の人事・総務であっても下手をすれば100倍を超えることも。
大企業ならばもっと倍率は高くなるでしょう。
転職サイトで安い求人費用に抑えて経験者を採用したいと考えている会社も多く、通常の媒体では未経験者が不利です。
ですが転職エージェントであれば、非公開求人を紹介してもらえますし、未経験者歓迎の求人もたくさんあります。
実際のところ人事・総務の求人は非公開求人が多いです。
人事や総務のように会社の秘密を握る部門は、求人を転職サイトやハローワークに出すことはほとんどありません。
転職エージェントに秘密裏に依頼して、採用するのがオーソドックスな採用の仕方です。
人事や総務を募集していること自体を知られたくないという会社がとても多いのがその理由。
それだけ大切な部門ということです。
転職エージェントを活用し、未経験でも人事・総務の仕事の内定獲得を目指しましょう
第二新卒の方にオススメの転職エージェントは、下記の記事でくわしくご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。